ワイパーで認証を取得しているシフトは、ワイパー替えゴムの専業メーカーとして長く知られてきたが、約10年前からワイパー本体の製造販売にも乗り出した。
優良ワイパーメーカーとしては後発となるが、替えゴム製造で培ったノウハウを基にした充実した品揃え、国内一貫生産の強みを活かした確かな品質によって優良市場のニーズに応え、近年急速にアフターマーケットで認知が高まっている。
◆迅速な製品開発に基づく高い適合率
近年のワイパー業界の大きな流れとして、ワイパー形状の複雑化があげられる。
背景にあるのは車の性能向上に伴う構造変化だ。高性能化により走行速度が向上したことで、風の抵抗でワイパーの浮き上がりを抑えるデザインワイパーが主流となり、多様な形状のワイパーが流通することとなった。
また、撥水ガラスの普及で、従来のノーマルゴムからグラファイトを使用したワイパーが市場の中心となりつつあるなど、優良ワイパーメーカーは、ワイパーの構造変化や多様化への対応が求められている。
シフトはこうした市場変化にも柔軟に対応し、リヤワイパーなどの新製品も次々とラインアップしている。
同社の最も大きな特長が、新製品投入のスピードと品揃えの豊富さ。同社製品は替えゴムが100数十品番、ワイパーについては建設機械用なども含め50品番を超える。ワイパー・替えゴムともに「欠品なし」をモットーとし、純正交換適合率はほぼ100%を誇る。
これは、替えゴム専業メーカーとしてスタートした創業時からの「替えゴムのデパートになる」という方針に基づく。当時から新車発売とともにすぐ新製品開発に着手。車種ごとに金型を設計し、適合する製品をいち早く市場投入してきた。
長年かけて構築してきた製品開発体制はワイパー製造販売にも引き継がれ、現在では、新車発売から約1〜2カ月で適合する新製品をラインアップすることが可能だ。
◆万全の品質管理体制で「返品ゼロ」へ
品揃えの豊富さとともに、同社が非常に力を入れているのが品質管理の徹底。
自社工場での一貫生産を行っている同社では、原材料の入荷から検査、製造までの各工程において厳しいチェックを実施し、不良品の発生を防いでいる。
メーカーであれば、全セクションが責任を持たなければならない」という考えのもと、独自の取り組みとして全製品のラバー部分に直接レーザーで管理番号を刻印。この管理番号では、製品情報や製造年月日だけでなく、撥水加工やカット作業といった各工程の日付と担当者、検品担当者などが確認できる。各工程において責任の所在が明確になるうえ、万一のトラブル時も迅速に対応ができる。
箱やパッケージではなく直接ワイパー本体に明記したのは、開封後でも管理番号を確認できるようにした配慮。また、レーザーで刻印することで、本体が汚れたり摩耗しても管理番号を読み取ることができ、より徹底した品質管理が可能となった。
「一見、単純に思えるワイパーだが、実は非常に奥深い。何より重要なのはワイパーゴムの品質。最適な材料選びや配合はもちろん重要だが、季節や天候、経年によっても変化し大きな違いが出てくる」(舘岡正勝社長)という同社は、製造工程だけでなくワイパーゴムの経年変化についても配慮。屋外での保存を想定した長期保存テストなどゴムの環境変化についても研究し、信頼性の高い製品作りにこだわっている。
こうした品揃えの充実や、経年変化に強い製品作りは、全て主要販売先である部品商の営業スタイルに対応したもの。「整備工場からの注文に迅速かつ確実に対応できる」、「長期間在庫しても劣化しにくい」という、「部品商にとって最も扱いやすい」ことを考え開発された同社のワイパーは、優良市場に最適化した商材として販売先からも高い信頼を獲得している。
会社概要
株式会社シフト
〈代表者〉舘岡正勝代表取締役
〈本 社〉東京都台東区今戸1-19-12
〈工 場〉埼玉県幸手市上宇和田521-16
〈URL〉http://www.4210.jp
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