「Seiken」ブランドとして、シリンダ、ピストン、ゴムパーツなどのブレーキ部品とともに、ブレーキフルードやクーラントなどの研究開発・販売を行う制研化学工業。
合資会社明治商会(現・明治産業)の自動車ブレーキ部品およびブレーキフルード製造部門であった制動機研究所を前身とする同社は、1965年にブレーキフルードで第1号のJIS規格認定を受けるなど、部品とフルード双方を手がけるブレーキ総合ブランドとしてカーアフターマーケットでも先駆的な存在だ。
◆ブレーキ総合ブランドの強みを活かした高品質製品
シリンダやカップなど油圧部品の開発・設計を自社で行うことで、適正情報をフルードの開発にフィードバックするなど、フルードとの関係を常に追求した製品開発が可能となっていることが同社最大の強み。
さらに部品、フルードともに純正採用されている実績により、純正品同等の高い技術とノウハウを投入した製品をアフターマーケットへ提供できることがもう1つの大きなメリットとなっている。
特に、現在市場でシェアが拡大している長寿命タイプの「ハイパークーラント」はJIS規格が存在していないため、純正採用の実績が品質証明のひとつの目安となり、市場での高い信頼に繋がっている。
そのノウハウを活かし、昨年にはクーラントの防錆機能や消泡機能を回復させるクーラント強化剤「クーラント・リ・パワープレミアム」も発売。クーラントの長寿命化を踏まえ、メンテナンス不足によるトラブル防止に寄与する製品として好評となっている。
2014年からは、スーパーGT500に参戦する高橋国光監督率いる「チームクニミツ」をサポートし、ブレーキフルードをチューニングして提供。過酷なレース環境下での使用を通じて得たデータを、市販製品の開発等にも活かしている。
製造現場では、「不良品を造ってはならない、売ってはならない、使ってはならない」との品質方針に基づき、生産の充実と品質向上を図っている。さらに本社内に試験機を導入し、市場投入前に使用環境まで想定した厳しい品質試験を実施。これらをクリアした高品質な製品を、国内および海外約80カ国へ供給している。
◆整備現場の作業効率・安全性向上に向けた取り組みも
国内優良市場向け製品の展開については、小型から大型車までの幅広い品揃えはもちろん、近年需要の高まっているキャリパーピストンの品番設定強化やホイールシリンダピストン付きカップの開発強化など、整備現場でのトラブル防止や作業効率化にも配慮。ホイールシリンダASS’Yの開発など、整備市場の変化に対応した製品開発にも注力している。
さらに技術サポートの一環として、カップの交換作業を補助するカップツールやカップカッター、フルード交換の目安を測るブレーキフルード沸点テスターといったメンテナンス機器の開発・提案を行うほか、整備業者を対象とした「Seikenブレーキ講習会」を各地で開催。車両構造の複雑化に伴い、整備業界では電子機器関連の技術情報が注目されがちだが、同社ではこうした各種サポートを通じ、重要保安部品であるブレーキ部品の重要性を訴えている。
またブレーキ講習会は、整備業者への情報提供と同時に、営業担当者が整備現場の生の声を直接聞くことのできる機会としても捉えられ、新たな製品開発や販売戦略のヒントとしても活かされている。
会社概要
制研化学工業株式会社
〈代表者〉前川幸生
〈本社〉東京都港区赤坂1-1-12
〈油脂静岡工場〉静岡県菊川市赤土1220
〈部品部真岡商品課〉栃木県真岡市松山町8-1
〈部品部上田商品課〉長野県上田市諏訪形1486
過去の掲載内容はこちら
2021年
2019年
2018年
2017年
2016年
- ・日本ワイパブレード(株)
- ・横浜油脂工業(株)
- ・大和工業(株)
- ・バンドー化学(株)
- ・三ツ星ベルト(株)
- ・東洋エレメント工業(株)「燃料フィルタ、エアクリーナエレメント、オイルフィルタ、キャビンフィルタ」
- ・ミヤコ自動車工業(株)
- ・制研化学工業(株)「ブレーキ&クラッチパーツ、ブレーキフルード、クーラント」
- ・HKT(株)
- ・武蔵オイルシール工業(株)「オイルシール」
- ・大野ゴム工業(株)
- ・谷川油化興業(株)