自動車優良部品推奨制度に基づき、JAPAから推奨を受けた補修部品は約200品目にのぼる。
 各部品メーカーによる推奨製品へのこだわりと、品質維持のための取り組みを紹介する。

 自動車用板ばねを中心に製造・販売する板ばね専業メーカーの中野スプリングは、前身である1875年創業のばね製作所時代を含めると、100年以上にわたり一貫してばね製造に携わってきたばねの老舗。

 優良部品市場に対しては、「NSK」ブランドとして主にトラック・トレーラー向けのリーフスプリングを供給している。

 現商号の「中野スプリング株式会社」へ改称して70周年を迎える今年は、企業PRを積極展開しており、3月には「国際オートアフターマーケットEXPO2017(IAAE2017)」へ初出展。他にも各種展示会への参加などを通じて認知向上を図るとともに、優良市場に対しても部品商を中心にNSKブランドのさらなる認知向上に取り組んでいる。


◆ 品揃えの充実と小ロット生産にも対応する高い生産能力

 同社の大きな特長となっているのが、長い実績に基づいた技術力と、「少量多品種・短納期」として表現される対応力の高さ。

 生産拠点である昭島工場では、重ね板ばね(マルチ)から近年市場の主流となっているパラボリック形状のばね、Uボルトなどの関連部品、鉄道車両や特殊車両用のばねまで幅広く製造。さらにクラシックカー用スプリングの注文製作といった小ロット生産にも対応可能だ。こうした多様なニーズに柔軟に応える生産能力は同業他社の中でもトップクラスであり、同社の大きな強みとなっている。

 主力製品であるリーフスプリングは、リーフと呼ばれる長さの異なる板ばねを複数重ね合わせて構成されており、鋼板の弾力を利用して振動を吸収する。

 近年はエアスプリングを使用したエアサスペンション方式への移行が進み、国内の大型車市場では約8割の車種がエアサスペンション方式を採用しているが、積載量の多いダンプカーなどを中心に、現在もリーフスプリングは使用され続けている。

 リーフスプリングの交換は、板ばねの破損による交換が中心。いわゆる定期交換部品とは異なるため、いつ交換需要が発生しても対応できる幅広い品揃えが不可欠なうえ、商用車であるトラックは乗用車以上に迅速な修理が求められる。このため同社は供給可能な在庫約3万8千点を揃えるとともに、卸とも連携した即納体制でアフターマーケットのニーズに応えている。


◆ リーフスプリングのさらなる市場シェア拡大を目指す

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 こうした品質の高さや品揃え、生産能力をもとに、現在同社では国内外での市場シェア拡大に向けた取り組みに注力している。

 国内市場は、エアサス化の他にばね自体の性能向上、道路環境の向上等を背景として市場環境は厳しくなっている。しかし、乗用車販売台数の伸び悩みを背景に、補修部品市場では単価が高く安定した交換需要の見込める商用車に注力する部品商が増えている。同社はこうした商用車シフトともいうべき補修部品市場の動きが、リーフスプリングの需要拡大にもつながるのではないかと期待。特にトラック・トレーラー需要の多い九州の補修部品市場については、物流または営業拠点の設置も視野に入れながら販売強化に取り組む考えだ。

 また、製品同様に供給体制やアフターサービスなども重視する同社は、卸や部品商を対象とした勉強会も定期的に実施している。特にこれまで乗用車部品を中心に扱ってきた部品商の場合、リーフスプリング自体の知識が乏しいこともあり、製品の脱着方法やリーフの数え方といった基本情報の提供により販売活動をサポートする。

 海外市場については、特に道路事情の悪い東南アジアなどを中心にリーフスプリングの需要は高いと見ており、積極的な営業活動により市場開拓を目指す。

 現在は低価格の中国製やインド製の部品が主流となっているものの、一部ユーザーの間では高品質な日本製品に回帰する動きも見られ、同社はこうしたニーズを掘り起こすことで海外でのシェア拡大も期待できるとしている。中でもミャンマーは、日本製の中古トラックが数多く走行している一方、補修市場の環境が整備されていないことや、道路状態が悪く板ばねへの負担が大きいなど、高品質でリーズナブルな優良リーフスプリングが求められる条件が揃っているとして市場開拓に力を入れる考えだ。


会社概要

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中野スプリング株式会社

〈代表者〉中野隆平

〈本社〉東京都港区芝浦4-11-17

〈昭島工場〉東京都昭島市武蔵野2-9-1

〈URL〉http://www.nakano-sp.co.jp



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一般社団法人日本自動車部品協会 JAPA