研究開発型メーカーとして、カーケミカル製品、ビルメンテナンス関連製品、食品素材などを開発・製造販売する横浜油脂工業は、国内外に4カ所の生産拠点を持ち、ISO9001などに即した高品質な製品作りを行っている。
全社売上の約3割を占めるカーケミカル事業では、「Linda」ブランドとして、洗車機用洗剤・ワックスをはじめプロユースに特化したカーケミカル製品約500品目を製造販売している。
このうち整備工場、ガソリンスタンドなどのアフターマーケット向け製品としては、カーパーツクリーナーやシャーシー塗料、防錆潤滑剤など多岐にわたる製品約250品目をラインアップ。最近では、塩害による車体下回りの錆を防止する塩害防止コーティング剤「ラスブロッカー」が、降雪地域を中心として人気となっている。
◆カーディテイリング関連製品、環境対応製品が好調
近年、部品交換率低下や市場競争激化を背景に整備工場の収益が悪化していることから、同社でも整備工場の収益向上につながる付加価値の高い製品の開発および市場投入が急務となっている。
特に、整備工場の間でボディコーティングなどカーディテイリングサービスへの関心が高まっていることから、同社でも関連製品に注力。ラインアップ拡充とともに売上構成比も拡大しており、中でもヘッドライト洗浄剤・コーティング剤「ヘッドライトコーティングシステムHD-1」やガラス系コーティング剤「ガラスプロテクト」などが堅調に売上を伸ばしている。
また環境意識の高まりから、環境負荷を低減する製品に対するニーズも高い。
今年1月に発売した油分散洗浄剤「OSD-500W」は、高い分散性能で油の再付着を防ぎ、周辺環境への影響を抑制するもので、整備工場をはじめとした事業場内の汚染物質洗浄に効果を発揮する。
さらに緊急油漏れ対策用として、同製品の1㍑サイズに吸着パッドや希釈用計量ボトルなど一式をセットにした「携帯用油処理剤キット」を10月に発売したところ、運送会社等を中心に人気を呼び、一時期生産が追い付かなくなるほどのヒット製品となっている。
「携帯用油処理剤キット」については、アフターマーケットを中心により幅広い活用も期待できるとして、生産体制を整え今後は部品商ルートなどでの一層の拡販を図る。
◆ホームページへの動画掲載など新たな製品PR方法にも注力
これら製品のPRにあたっては、卸商社の協力のもと、実際のユーザーである整備工場やガソリンスタンドに近い立場である地域部品商を訪問し、製品説明会などを行っている。
さらにウェブを活用した訴求活動にも積極的だ。ホームページ上に製品紹介や使用方法、使用上の注意喚起などをまとめたPR動画を掲載。事業部内に専門スタッフを揃えた部署を設置して、新製品の発売ごとにPR動画を作成しアップしている。現在約20の動画を配信しており、閲覧回数を着実に伸ばしている。
「クリーナーなどカーケミカル製品のPRでは使用感をどう伝えるかが課題。作業風景を見せられる動画の方が、紙のカタログや資料よりも製品を実際に使用しているイメージが伝わりやすい」として、今後こうした動画を活用した新たなPR方法にさらに力を入れていく方針だ。
同社は今年4月に組織改正を行い、カーケミカル製品事業が化成品事業部に一本化された。この組織改正により、営業部門と技術開発部門が統合されたことで、営業担当者と開発担当者との情報交換が活発になり、また営業担当者を通じてユーザーの声が開発担当者にダイレクトに届くといった効果が生まれている。
今後は整備業界から特にニーズの高い「環境負荷低減」、「収益アップ」、「作業性向上」の3つをキーワードに、より市場ニーズに即した製品開発への期待が高まっている。
会社概要
横浜油脂工業株式会社
〈代表者〉本多秀夫
〈本社・横浜工場〉神奈川県横浜市西区南浅間町1-1
〈秦野工場〉神奈川県秦野市堀山下380-7
〈大阪工場〉大阪府大阪市西淀川区佃4-14-27
〈URL〉http://www.yof-linda.co.jp
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