会社概要
〈所在地〉愛知県名古屋市昭和区白金3丁目20番15号
TEL 052-882-8501
FAX 052-882-8852
〈設 立〉1947年
〈売上高〉502億円(2016年)
〈代表者〉櫨 巳芳
〈社 是〉誠実・熱意・努力
〈社名の由来〉方角の1つにある辰巳(巽)から商売をするのに良い方角であると いう諸説よりつけられた。
70周年記念インタビュー
ばね鋼と自動車用板ばねの専門商社としてスタートした辰巳屋興業㈱(櫨巳芳代表取締役社長)は現在5つの事業(自動車部品、自動車用品、海外部、鋼材部、タツミ商事)にて我が国の車社会を支えている。同社は8万点の商材を取り揃え、全国24拠点に販売所兼倉庫を設け、確実な対応と迅速な配達を実現している。一般ユーザー向けにレーシング・ギアというブランドも展開し、一般ユーザーへの認知も高めている。そんな辰巳屋興業だが、今年設立70年を迎えたことを記念して、これまでの歴史、これからの10年そして業界について櫨 巳芳代表取締役社長にお話を伺ってきた。
――設立70年を迎え、これまでを振り返ってみていかがでしょうか?
櫨社長(以下、櫨) 仕入先さま、部品商さま、そしてお客さまに支えられてきた、この一言に尽きます。共に歩き、そして育てて頂き、常に助けて頂いた70年だったと実感しております。
――長い間お客さまから信頼されている秘訣はありますか?
櫨 誠心誠意に対応、常にお客さまのニーズに応えることだと思います。また、多くの仕入先さまに支えられ、豊富な品揃えがあったという点も信頼されてきた要因の一つだと考えております。
――設立から現在まで黒字経営をされていますが、御社の強みを一言で言うといかがでしょうか?
櫨 お客さま、部品商さま、仕入先であるメーカーさま、そして弊社の4社が一体になる四位一体の動きと精神が強みです。部品商さまと一緒に販売していく動きを発揮していくことがこれまでも、これからも重要なことであると考えています。この四社が一体になるのだという想いを全社員が実行することで、相互に利益を生み出していくことが出来、その結果が現在に活きています。
――整備売上高は減少していますが、今の自動車部品業界をどのように捉えていますか?
櫨 本来、自動車整備工場がやらなければいけない自動車についての説明などが出来ていないのが現状だと思います。そうした、自動車業界に対する悪いイメージも相まって、若い人が働きたいと思うような環境ではないと思います。そういったものを我々も払拭していき、お手伝いをしていかなければいけないと考えております。 そして、車の変化も顕著で、自動ブレーキやEVといった進化も目覚しいものです。これらにも我々は対応していく方針です。
――人材育成、人材採用についてはどのようにしていますか?
櫨 4大卒の新卒の採用や中途採用もしっかりと行っております。育成については外部講師を招いて研修を行っております。また、慰安旅行を定期的に行っており、50周年にはハワイ、60周年にはグアム、今回はハワイに行きました。社員も慰安旅行では羽を伸ばし英気を養ってくれております。
櫨 人に対してという意味では、海外の取引先の方を招いてのパーティーを定期的に開いております。今年は相撲の催しを行い、海外の方も日本文化に触れ非常に好評でした。
――働き方改革が勧められていますが、御社の取り組みを教えて下さい
櫨 働き易い環境は社員のやる気にも繋がりますので、積極的に休日を増やすようにしております。先ほどの慰安旅行も社員満足度向上に繋がりますし、残業廃止に向けても動いております。
――御社の主要の5つの事業についてですが、これから特に力を入れていく事業はありますか(自動車部品、自動車用品、海外部、鋼材部、タツミ商事)?
櫨 どこか1つに力を入れることで得られるものは相乗効果を生み出します。それにより全ての事業が伸びていくことに期待しておりますので、何処の事業を重点的に伸ばすという計画はありません。
――自動車部品のほぼ全てを取り扱っていますが、これから伸ばす商材について教えてください
櫨 時事的にはドライブレコーダーですが、2年前から強化していくよう指示をしていたところでした。こういった突発的な商材に依存していてはいけないと考えております。弊社は細かなものを細かく販売してきた過去があります。乱暴な言い方をすれば、美味しい商品だけを取り扱うだけではいけません。これからは車の進化に対応することで商材の変化も起きるはずです。そういった意味から操舵関係の部品は自動運転の関係から伸びていくと思います。同時に電装品や電気機器、ECUも必然的に伸びていくことが予想されます。また、オイルやケミカル類に関しましても、レベルが上がっていくと考えております。
――品質保証に力を入れている会社が増えていますが、御社独自で取り組んでいることはありますか?
櫨 メーカーとのコラボレーションを行い、我々自身が品質に対して自信を持っていくような動きをしております。
――部品発注の方法もインターネット環境を通じて行われるようになってきています。御社もWEB発注システム「INPACT」を独自開発されておりますが、運用状況はいかがでしょうか?
櫨 時代の流れでしょうか、オンライン発注という動きは活発になっています。弊社のシステムも同様に伸びており、今後も機能を充実させていくと共に、浸透させていきます。
――これまでの70年間で嬉しかったことはなんですか?
櫨 日本のモータリゼーションと共に、弊社も業界もそして自動車も成長してまいりました。そんな中で良い時も厳しい時も部品メーカーさまが弊社についてきてくれたことです。本当に皆様がいなければ会社が潰れていたかもしれない時代もあり、常に感謝しております。
――次の10年に向けてコメントをお願いします
櫨 新しい商材そして社内の改革を進めていき、具体的に現在の売上約502億円の倍である1,000億円を次の10年後には達成出来るよう目指してまいります。
――部品商へメッセージをお願いします
櫨 弊社は常に取引先皆様に支えられてきた歴史であると思います。皆様のお陰で今日の辰巳屋興業があると言っても過言ではありません。これからも皆様と一緒に歩んで行けますよう、よろしくお願い申し上げます。
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