自動車優良部品推奨制度に基づき、JAPAから推奨を受けた補修部品は約200品目にのぼる。
 各部品メーカーによる推奨製品へのこだわりと、品質維持のための取り組みを紹介する。

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 昨年創立50周年を迎えた日本ワイパブレードは、ワイパーブレードおよびアームの専門メーカーとして、自動車をはじめ鉄道車両や船舶など乗物全般のワイパー年間約7400万本(ゴム含む)を生産。

 主力である自動車用ワイパーの分野では、国内カーメーカー11社すべてに純正採用されている唯一のメーカーであり、実績・生産量ともに国内トップの地位を誇る。

 NWBワイパーとして展開するアフターマーケット向け製品についても、純正採用メーカーとしての実績と技術を活かし、OEMと同等の品質・形状の製品を市場投入できることが大きなメリットだ。


◆販路や市場ニーズに合わせた幅広い製品ラインアップ

 ワイパーは、作動時における風切り音の抑制や高速走行時の浮き上がりを防ぐための工夫、また埃や紫外線といった外的環境への耐久性といった機能面はもちろん、車の外観に影響することからデザインの良さも重視されるなど、デザイン・機能両面からの要求が高い部品のひとつ。

 20世紀初頭に誕生して以来、基本構造自体は大きく変わらないものの、ワイパーは装着する車両デザインの変化に対応する形で進化を続けてきた。特に近年では、新車種発売のたび、ガラス形状等に対応した仕様のワイパーが設定されるようになり、ブレードだけでなくアーム部分にもデザイン化が進展している。

 このため、同社の国内アフターマーケット向け製品についても、現在市場の主流となっている「グラファイトワイパー」シリーズをはじめ、新車装着率の拡大により需要が拡大している「デザインワイパー」シリーズ、主に整備工場向けに展開するリーズナブルな「視界良好ワイパー」、さらに高付加価値製品として注目が高まっている「撥水コートワイパー」シリーズなど、約150品番をラインアップ(替えゴムを除く)。車種だけでなく、様々な販売チャネルや市場ニーズに対応した幅広い製品を展開。

 昨年には、リーズナブルな価格でドレスアップしたいというニーズに応える製品として、「エアロレインワイパー」を発売。トーナメントワイパーをベースにエアロ形状樹脂カバーの採用でデザイン性と高速性を両立させた。

 これらの製品については、主に営業担当者が整備工場やガソリンスタンド、販売店などから収集した市場ニーズをもとに企画をまとめ開発担当に提案する形で開発が行われているが、特に最近では、アフターマーケットの厳しい市場環境を反映し、収益確保が見込める付加価値の高い製品を求めるニーズが高まっている。中でも撥水コートワイパーは、撥水コーティング車両の増加に対応して需要が拡大しており、今後さらなる販売拡大も見込まれている。


◆研修会や工場見学でワイパーブランドとしての歴史をアピール

 ワイパーの交換率向上に向けた活発な取り組みも同社の特長のひとつ。約10年前から部品商などを対象に実施してきた工場見学を兼ねた研修会には多くの人が参加している。

 研修会では、水滴をガラス上で薄い均一な水の膜にして視界を確保するワイパーの基本的な機能とともに、適正な動作にはガラス全体への均一な分布圧と適正な倒れ角が必要であり、劣化によりワイパー本体のガタつきが大きくなると適正な倒れ角が保てず拭き性能が低下するメカニズムを解説。年1回のワイパー本体の点検・交換が必要であることを訴えている。

 一昨年には本社内に研修用施設「NWBワイパーショールーム」も開設した。半世紀にわたるNWBワイパーの歴史を一覧できる展示や実演コーナーなども設け、「ワイパーの歴史=NWB」をアピール。さらに、工場見学で実際の製造現場を見てもらうことで、ワイパーへの理解をより一層深める取り組みなども行っている。

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会社概要

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日本ワイパブレード株式会社

〈代表者〉牧晋二

〈本社・工場〉埼玉県加須市下高柳311

〈URL〉http://www.nwb.co.jp



一般社団法人日本自動車部品協会 JAPA