自動車優良部品推奨制度に基づき、これまでJAPAから推奨を受けた補修部品は約300品目に近い。
 各部品メーカーによる推奨製品へのこだわりと、品質維持のための取り組みを紹介する。

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 2020年に創業100周年を迎えるスタンレー電気は、自動車用電球をはじめ自動車機器製品、電子機器製品などの製造・販売で長い実績を持つ。スタンレースピリット「光に勝つ」にこだわり、現在も新たな製品開発に積極的に取り組んでいる。

 市販ブランドである「RAYBRIG(レイブリック)」はアフターマーケットでも広く知られ、「STANLEY(スタンレー)」ブランドとともに、ヘッドランプ用電球、ストップ&テール用電球を主力として整備工場、ディーラー、カーショップ、ガソリンスタンドなどへ高品質な製品を供給している。


◆ 進展するLED化への対応が課題に

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 近年、乗用車を中心に自動車照明のLED化が進み、自動車用電球のトレンドも大きく変わりつつある。

 LEDはこれまで主流であったハロゲンやHIDよりも消費電力が小さく視認性も高い。またHIDの約10倍という長寿命のため、乗用車ならほぼメンテナンスフリーで使用できるといった利点もある。

 HVやEVなどバッテリー負担の大きい次世代自動車の普及で、これまで以上に省電力な照明が求められるようになったことが、LED化の進んだ大きな要因だ。

 また自動車用電球の寿命は、ランプの使用頻度、具体的には夜間走行の長さによってそれぞれ異なることから、交換時期を事前に把握するのが難しい製品のひとつ。

 しかし、夜間走行時にヘッドランプやストップランプの電球が切れることは事故の危険にもつながるため、安全性という観点からも長寿命かつメンテナンスフリーのLEDへのニーズは高まっている。

 同社の分析によると、ヘッドランプ用電球は比較的緩やかにLED化が進んでいるため、当面の間は需要に大きな影響はないと見られる。一方でストップ&テール用電球は急激で、すでに17年に発売される新車の約8割がLEDとなっている。

 また乗用車(12V)に比べ、業務用車両(24V)は交換需要の多い反面LED化が進んでいないなど、製品や車種によってLED化の流れにも若干の差異が見られる。

 同社ではこれらの市場構成変化を見据え、アフターマーケット向けのLED製品の開発・販売に取り組んでいる。

 特に夜間走行が長くヘッドランプの使用頻度が高いタクシー・ハイヤー、バス、トラックといった業務用車両向けのLED製品に注力。販売ルートの開拓とともに、製品・メンテナンス費用の削減や安全性の向上といった点をアピール。これらの車両に対応した製品の開発も推し進める。


◆ 補修部品販売ルートの開拓・強化目指す

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 新車だけでなく、ハロゲン電球を使用する既存車両についても、省コスト、安全・安心の追及といった観点からLED化へのニーズは高い。同社が今年4月に市場投入したヘッドランプ用LEDバルブは、こうしたハロゲンを使用する車両の電球をLEDに置き換える製品。

 電球メーカー、OEMメーカー、LEDメーカーの3つを兼ねる世界唯一のメーカーとしてのスタンレー電気の強みを活かした製品であり、四輪車(12V、24V)のほか二輪車にも対応する。今後は装着に付属品が必要となる一部車種に対応した車種専用キットも発売予定。

 四輪車については、業務用車両を主要ターゲットとして販促活動を展開。全国の部品商らとともに運送会社やタクシー会社等を訪問し、プレゼンテーションを進めている。

 これまで用品市場向けの汎用性の高い製品を特長としてきた同社だが、今後は業務用車両を中心とした補修部品市場のニーズにマッチした車種専用品の開発にも力を入れていく方針。新製品の市場投入も加速させ、今後3年間でLEDランプおよびLEDバルブを中心とした約150品番の発売を目指す。また、製品プレゼンテーション等の機会を通じて市場の動きや現場の声を収集し、製品開発に活かしていく考えだ。


会社概要

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スタンレー電気株式会社

〈代表者〉北野隆典

〈本社〉東京都目黒区中目黒2-9-13

〈横浜技術センター〉神奈川県横浜市青葉区荏田西2-14-1

〈スタンレーいわき製作所〉福島県いわき市中部工業団地3-1

〈URL〉http://www.stanley.co.jp/



一般社団法人日本自動車部品協会 JAPA