一般社団法人日本自動車部品協会　理事長　青木乙彦

　明けましておめでとうございます。

　皆様方におかれましては健やかに新年を迎えられましたこととお慶び申し上げます。旧年中は弊会運営に対し多大なるご支援、ご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。

　さて我々の日常生活や社会生活に大きな影響を与えた新型コロナウィルス感染症の世界的流行から３年目となった昨年は、ワクチン接種の加速や医療体制の強化により、行動制限が段階的に緩和され、個人消費が増加し、社会経済活動が回復に向かいました。海外からの観光客の受け入れも再開し、インバウンド需要の回復も期待されているところです。

　しかしこうした中、２月にロシアがウクライナに軍事侵攻し、いまもなお戦闘が続けられ長期化する中で、資源エネルギー価格や穀物の価格が高騰し、世界経済全体がインフレ加速の影響を受けています。また中国のコロナ政策も多くの産業に影響を与えており、世界経済の悪化が懸念されています。

　世界的なインフレの波は日本にも押し寄せ、生活必需品を含むあらゆる物価が上昇しています。自動車市場についても、半導体不足や部品供給不足が続いて新車不足が長期化し、中古車価格も大幅に上昇していることから、今ある車を大切に乗っていく、という傾向にあるようです。

　自動車はCASEと呼ばれる技術変化で電動化や自動化が急速に進んでおり、点検や整備の際も電動化に対しての高度な対応が求められています。しかしその一方で、今ある車をきちんと安全に快適に走らせる、ということも、我々に課せられている大変重要な役割です。

　新しいことばかりではなく、今までやってきたことをきちんと守って継続していく、ということも非常に大事なことです。長く、安心、安全に車を走らせるノウハウを持っているのは、国内および世界の隅々にまできめ細かくサービスを展開している我々アフターマーケット専門業者です。

　日本の自動車メーカーと自動車部品メーカーの素晴らしいモノ作りがあって、我々はアフターマーケット専門業者として、それら素晴らしいモノを世界中にお届けできることに誇りと自信を持って日々取り組んでおります。

　今後、自動車本体が変わってくるとますます的確なメンテナンスが必要になり、アフター専門業者の存在がさらに重要になってくるでしょう。これまで蓄積したノウハウをさらに進化させ、スピード感をもってタイムリーに対応できるよう、さらなる成長を目指したいと思います。

　今年は従来の「東京モーターショー」が「ジャパンモビリティーショー」と名称を変えて開催される予定です。他産業にも参加を募りオールインダストリーショーとして開催されるとのことです。同ショーにより日本の産業全体が活性化することを期待したいと思います。

　昨年は3年ぶりに会員同士が対面で会する機会を設けることができました。各社の近況や共通した課題などを直に聞くことができ、久しぶりに親睦を図ることもできました。今年も感染拡大防止に取り組みながら、会員同士はもとより、他の団体の方々とも積極的に交流を図って、情報交換や意見交換を行いながら自動車業界の変革に向き合ってまいりたいと思います。関係官庁や関係団体の皆様との連携も一層深めてまいりたいと存じますので、どうぞ本年も一層のご支援とご鞭撻をお願い申し上げます。

　最後になりましたが本年が皆様にとりまして素晴らしい一年となりまよう、ますますのご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。