一般社団法人日本自動車部品協会　理事長　青木乙彦

　明けましておめでとうございます。

　2021年の年頭にあたり謹んでご挨拶を申し上げます。

　昨年は新型コロナウィルスが世界各地に広がり、わが国においても緊急事態宣言が発動され、これまで経験したことのない緊迫した年となりました。新型コロナウィルスでお亡くなりになられた方に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、コロナ禍で厳しい状況におかれている方々に心よりお見舞いを申し上げます。献身的に頑張ってくださっている医療従事者の方々には頭が下がる思いです。１日も早く新型コロナウィルスに効果的な治療薬やワクチンが導入され、終息に向かうことを祈念申し上げます。

　また昨年９月には菅新内閣が発足し、政権においても大きな変化がございました。新内閣には新型コロナ対策と経済活動の両立を強く推し進めていただき、経済の活性化を図っていただきたいと存じます。

　さて久しく「クルマ離れ」と言われておりましたが、コロナ禍において、移動手段としてや災害時の避難場所としても自動車の価値が見直されました。安心、安全を担保するうえで自動車の点検、整備は不可欠で、国内のアフターマーケットはコロナ禍でも堅調に推移しているように思います。海外においては、感染拡大が激しくロックダウンが相次いだ影響で、昨年の春夏は非常に厳しい状況でしたが、秋以降はだいぶ戻ってきており、優良部品また我々の存在が必要とされているということを改めて大変強く感じました。これも優良部品の品質のすばらしさと、販売に携わる各社が世界の隅々にまでネットワークを構築し、お客様との信頼関係をしっかり作り上げてきた結果であると再認識いたしました。

　弊会は昨年4月に50周年の節目を迎えましたが、長きにわたり優良部品を大切に育てて下さった諸先輩方、ご愛顧下さった皆様に改めて心より感謝を申し上げたいと存じます。

　自動車補修部品はこのような大きな危機の中でも社会から求められ、大変ありがたく感じますが、それだけに我々には車検制度や車の構造変化、脱炭素化へ向けた動きなど大きな変化への的確な対応が求められております。

　特に喫緊の課題として特定整備への対応があげられます。特定整備制度がアフターマーケットに与える影響は大きく、ここにきて急速に部品商様や整備工場様からの関心が高まっているように思います。車検制度が変わることは大きなことですが、言い換えると社会からの安心、安全への要求が高まっていると言えます。我々に求められることも大きく変わってきているので、特定整備についてしっかり勉強して理解を深め、準会員である部品メーカー様、部品商様、整備工場様と一体となり、より良い仕組みを作りあげることに力を入れていきたいと存じます。

　また2030年代半ばの「脱ガソリン車」に向けた議論も行われておりますが、車の電動化は世界的な流れであり、すでに車そのものが変わってきて部品点数が減り、アフターマーケットで需要が大きく減ったものもあれば、新たに生まれた需要もございます。

　我々はどんな変化にも対応する努力を続け、車や制度がどう変わっても世界のユーザーに認められる存在でありたいと願っています。

　新型コロナウィルスの流行は、これまで当たり前だったスタイルを見直すいい機会にもなりました。時間を有効活用する動きが広がり、これまでのやり方が絶対ではなく、様々な工夫をこらすようになりました。昨年はコロナ禍において会員間の情報共有、情報交流が例年以上に求められ、団体の存在は非常に大事であると実感いたしました。これからも会員相互、関係官庁や関係団体との皆様との連携を深めてまいりたいと存じますので、どうぞ本年も一層のご支援とご鞭撻をお願い申し上げます。

　最後になりましたが皆様方のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げ新年のご挨拶とさせていただきます。