10月8~10日に東京都江東区の東京臨海副都心内で、「東京モーターフェス2016」が開催された。主催は、日本自動車工業会(自工会、西川廣人会長)の会員14社と日本自動車輸入組合(ペーター・クロンシュナーブル理事長)で構成する東京モーターフェス2016実行委員会。「観て、乗って、のめり込め」をスローガンに掲げ、自動車やバイクに関するさまざまな体験プログラムを実施。初日と2日目が雨天となり天候に恵まれなかったものの、3日間で11万1275人が訪れ、多くの人でにぎわった。

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 同フェスは「東京モーターショー」非開催年に行われ、今回のテーマは「未来を体験するイベント」。自動車・バイクのファン拡大や、来年開催が予定されている「第45回東京モーターショー2017」の盛り上げにつなげることを目指した。

 ゆりかもめの船の科学館前駅周辺の「船の科学館前特設会場」と、「MEGA WEB」内の「メガウェブ会場」、両会場の中間に位置する「センタープロムナード」で展開。トヨタ自動車や本田技研工業、日産自動車などの国内自動車メーカーや、いすゞ自動車や日野自動車などの大型車メーカー、ヤマハ発動機などのバイクメーカー、ブリヂストンなどが出展した。


さまざまな体験イベントを実施

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 「船の科学館前特設会場」では、14エリアを開設した。

 「360度VR DOME」では、臨場感あふれる360度映像とリアルな音声のVR(バーチャル・リアリティ)体験を、レーシングカーとバス、バイクで実施。レーシングカーはレーサーの脇坂寿一選手がドライブするグランドツーリングカーの助手席同乗体験で、脇坂さんによる声がけも受けられた。バスは運転席での体験で、巡回後の洗車まで再現。バイクは、実車に乗りながらの体験だった。

 試乗も多数行われ、最新車両や最新オフロードカー、パーソナルモビリティ、超小型モビリティなどの体験ができた。親子向けの、カート体験やバイク教室も実施。

 「最新オフロードカー試乗」では、三菱自動車の「デリカ D:5」が傾斜角45度の坂を上る様子や、トヨタの「FJクルーザー」が右側の車輪を自車のタイヤ程度の高さがある台の上に乗せて走行する様子に、来場者から驚きの声が上がっていた。

 「最新車両公道試乗」では、ホンダの「NSX」やトヨタの「MIRAI」、マツダの「ロードスター」など、9社17車種の試乗を実施した。

 次世代車ではパーソナルモビリティがトヨタの「ウィングレット」とホンダの「ユニカブ」、超小型モビリティがトヨタの「アイロード」と日産の「ニューモビリティコンセプト」に試乗ができた。新感覚の乗り心地を、来場者は楽しんでいた。

 「はたらくクルマ体験」では、トラックやバス、ラリーレース参戦車の運転席への試乗体験を実施。いすゞと日野、UDトラックス、三菱ふそうから合計9車種が出展された。


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展示や講演も充実

 「プレミアムカーゾーン、PRブース」には、メルセデス・ベンツ日本やブリヂストンなどが出展。

 メルセデス・ベンツ日本は最先端の安全技術を搭載した「E200アバンギャルドスポーツ」やモータースポーツの技術を投入した「AMG GT S」などを披露した。

 ブリヂストンは、ソーラーカーなどを展示し、タイヤの空気圧や残ミゾを自主点検できるコンパクトタイヤゲージを配布した。

 タカラトミーは、「トミカブース」を展開。スポーツカーなどの小型模型の「トミカ」の展示などに、子どもたちが身を乗り出していた。

 「クルマから未来を考える3日間――『フューチャーモビリティーセッション』」と題した講演も実施。マクラーレン・アプライド・テクノロジーズのディック・クローヴァー氏の「もはやメーカーではない!マクラーレンの『未来予測』ビジネスがすごい」など、日替わりのテーマで行われた。


 

「事前発表会でVRをアピール」

 開催前の10月4日には、報道関係者向けに事前発表会が行われた。
 同フェス実行委員会の矢島憲二郎氏が「新しいクルマやバイクの未来体験をしていただきたい。たくさんの方にクルマ好きになってほしいし、お台場地区のにぎわいにも貢献したい」と、開催目的を紹介した。
 ゲストとして演出家のテリー伊藤さんが運転士風、タレントの菊地亜美さんはバスガイド風の服を着て登場。2人は、VRのレーシングカー同乗とバス運転を疑似体験。リアルな映像や、頭を動かすと360度見られることなどに驚きを見せていた。

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コンセプトカーや最新車両が一堂に

 今回から新設された「メガウェブ会場」では、「フューチャーモビリティラインナップ」を開催。トヨタやホンダなどの自動車メーカーや、ヤマハや川崎重工のバイクメーカーなど、11社の21車種が披露された。日産の「GT-R プレミアムエディション」やマツダの「LM55 ビジョングランツーリスモ」など、「東京モーターショー2015」などで展示された最新車両やコンセプトカーなどを見ることができた。

 富士重工業は、運転支援システム「アイサイト」のVRドライビング体験を行った。


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自動車大学校もブースを開設

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 トヨタ自動車大学校やホンダ テクニカル カレッジ 関東、日産自動車大学校もブースを展開。

 子どもが対象のメカニック体験やペーパークラフト教室、メカニック用作業着着用の整備体験を行った。


併催イベントも注目を集める

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 「みんモーin東京モーターフェス2016」も併催。「スポーツドライブ車両パフォーマンス紹介」や同乗体験が行われた。

 同乗体験の「フィール スポーツ カー オダイバ」では、レクサスの「GSF」やポルシェの「911 ターボSカブリオレ」などに乗車し、加速やブレーキング、コーナリングを体感することができた。迫力のある走りや音に、通行人も足を止めて見入っていた。

 クラシックカー同乗体験の「ミート・ザ・クラシック」にはトヨタ「2000GT」など、停車状態からの加速体験「0→100フル スロットル ライド」にはフェラーリ「488GTB」や、マクラーレン「650S」などが参加。FRスポーツカーでのテールスライド体験「エクストリーム ドライブ」には、BMW「M4」などが登場した。

 「センタープロムナード」ではパーソナルモビリティの試乗が行われ、長い遊歩道を走行できた。



一般社団法人日本自動車部品協会 JAPA